おすすめの本

宮脇俊三さんについて

 私が宮脇さんの本に出会ったのは高校2年の時でした(昭和53年)。 その本の名前は「時刻表2万キロ」。あまりにも面白かったので、授業中隠れて何回も読んだことを思い出します。宮脇さんの文章にすっかり魅了されてしまった私は、その後、たてつづけに後発の作品を読みました。

 
 大学入学後、鉄道趣味から離れてしまったため、その後読んでいませんでしたが、最近再び読み始めて、宮脇さんが始め東大理学部地質学科に通っていた事を知りました。
あの見事な風景描写はその辺と関係あるのかもしれません。
 じつは私も大学の時、地質学を専攻していました。なにか不思議な縁を感じました。


 余談ですけど宮脇俊三さんって田村正和に似ていると思いませんか?若い頃は美男子だったと思われます。


                      時刻表2万キロ   
                        

 言わずと知れた名著。鉄道ファンなら(ならずとも)思わず吹き出してしまう箇所多数。
宮脇さんが旅していたのが70年代で、ちょうど私が鉄道写真を撮っていた時期にあたり、そのころの鉄道事情がよくわかります。                           
まだ読んでいない方は是非読んでみてください。                      

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                    最長片道切符の旅
                     

 時刻表2万キロとくればお次はコレ。この本も高校生の時、何回も読みました。
 最近、改めて読み直しましたが、いまだに面白い。何回読んでも飽きない本というのは本当に珍しい。切符を買うシーンからもう可笑しい。種村直樹さんに相談するところなども面白い。後は読んでのお楽しみです。
 現在、鉄道関係書では、トップセラーになっているようですね。

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広田尚敬さんについて
 私が鉄道写真を始めた頃(昭和47年頃)、最も活躍していた鉄道写真家(今でもそうかも)。あの斬新な写真は我々のあこがれの的でした。
 一流の写真家は例外なく文章も上手ですが、広田さんもそれに当てはまります。鉄道に対する深い愛情と優しさが滲み出るような文を書かれますね。「ヤマケイカラーブックス」の「蒸気機関車の旅」や「日本の鉄道」は何回読んだかわかりません。

 また余談ですが、広田さんも若い頃は、舟木一夫と岸田森を足して2で割ったようないい男でした。


                   電車の写真家
                   

 今年出版された広田さんの自叙伝、岩波フォト絵本の一冊。一生好きなことをして暮らせて幸せな人だなあとおもいます。

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丸田祥三さんについて
 「鉄道廃線跡を歩く」シリーズに出ている写真を見て気になっていましたが、その後、丸田さんはプロの写真家で、本を何冊か出されているのを知りました。
廃車、廃線跡や70年代の鉄道写真などを題材にされていますが、いずれもセンスが良く、特に小中学校時代に撮影された写真には、とても子供が撮ったとは思えない写真が多数あります。
 
 文章も達筆ですが、かなり個性の強い思想をお持ちで、最近の若い人には理解できないかもしれません。我々は60年代、70年代を生きてきましたから、大体分かりますし、共感できる部分も多いです。ただ、あの少女写真は私の理解を超えています。


                    1977鉄道少年の旅
                      

 70年代の鉄道の思い出を綴った書。丸田さんが小中学校時代に撮影した写真が使われているが、ほぼ当時の国鉄の車両を網羅している。説明もその車両の誕生した時代背景まで書かれている。70年代の鉄道状況について最もよく書かれた本のひとつ。
残念ながら絶版。古本でもなかなか見つからない。
 都立日比谷図書館の蔵書にはあり、借りることは出来る。
                   ↓
http://catalog.library.metro.tokyo.jp/cgi-bin/exec_cgi/ibibser.cgi



                    鉄道廃墟
                     
 JTBの「廃線跡を歩く」シリーズの巻頭に使われた写真を集めて、それぞれの写真に丸田さんのオリジナルの解説が付いている。写真も相当にインパクトが強いが、それ以上に文章が強烈、「丸田節炸裂」という感じ。ところどころ「?}な部分もありますが、全体に、いまの人々が忘れてしまった大切なものが詰まっています。
 それにしてもあの写真を学生時代に撮り集めたというのだから只者じゃないと思います。
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その他のおすすめ

                 松川事件〜謎の累積(日向康 著)
                  
 
 1949年8月17日午前3時頃、東北本線松川〜金谷川間を走行中の上野行き普通列車が突然脱線転覆し、機関車乗務員3名が死亡した。現場検証の結果、レールの継目板がはずされ、枕木の犬釘が大量に抜かれており、複数の人間による明らかに計画的な犯行であることが判明した。
 国鉄労組員10人、東芝松川労組員10人が逮捕され、5人に死刑、5人に無期懲役の判決が出されたものの、裁判の過程で全員の無罪が明らかになった。
 
 戦後3大謀略事件の一つとされる松川事件について書かれた書。鉄道関係者などへ著者独自の取材を行っており、事故の状況など、現場の情景が目に浮かぶような記述です。列車編成表付き。後補機にD51がついていたことがわかります。

 目撃者が殺されたりして、いまだに真犯人はわかっていません。

 ご購入はこちらへ→   松川事件 謎の累積現代教養文庫―ベスト・ノン...
  古本もあるようです。→  松川事件 謎の累積 (楽天フリマ)
              
            昭和電車少年(実相寺昭雄 著)

                 

 実相寺さんといえば、東京芸大教授で、ウルトランマンのジャミラの監督としても有名ですが、実は相当な鉄道ファンでもあります。
 この書は、彼が戦中戦後に出会った車両たちの思い出をつづったものですが、往年の名車がたくさんでてきます。特に全国の私鉄の電車に詳しく、当時の活躍ぶりを彷彿とさせます。
 最近の車両にも言及しており彼によると京浜東北線の209系は名車だそうです。
 鉄道黄金時代の雰囲気を感じるには絶好の書です。

 余談ですが、実相寺監督は、円谷プロの「怪奇大作戦」で、山陰本線のC57を登場させています。
 
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